和魂と洋魂の謎

sdh



毎月郵便で送付されてくる『ぶらぼう』という音楽冊子に
池宮正信氏のラグタイム・コンサート情報を見つけたことが御座います。

彼はアメリカへ渡って早45年というベテラン中のベテラン、
その音楽理念や公演コンセプトには尊敬に値するものがあり、
アメリカ人にスティーヴン・フォスターやスコット・ジョップリンの魅力を教えよう
という意気込みがここまで形ある歴史・文化研究、
及び、音楽活動・国際交流にまで発展していったことは
誠に素晴らしい限りである。

これと同様の事を日本国内で眺めてみるとなると、
外国人に果たして日本の和魂が分かるのであろうか????
などという問いにぶつかることがあるかと思います。
金髪の美女に華道や茶道の念を理解できるのか???
巨大な体を誇るハワイアン力士にすもうの伝統・文化が分かるのだろうか????

しかしながら、逆の立場になって考えてみると、
その素晴らしさは安易に伝わってきます。

クラシックの教養ある日本人ピアニストが
アメリカ人が忘れ去ろうとしている100年前の音楽を
渡米してまで現地の人々に教えているのですから脱帽です。

アメリカ民謡にラグタイム、庶民の音楽から世界初のポピュラー音楽まで、
100年前の伝統ある衣装をわざわざ揃え、見事にステージ展開しているのですから、
国民全体にその価値を見い出させているのですから、
それはそれはすごいこと、本当に只者ではない!!!!

和魂と洋魂、文化・芸術に本来国境などないのかも????
勿論、物事の深いところでどこまで理解できるのかという難点は存在します。
『外国人には分かるまい』という先入観は誰もが経験したことある観念だと思います。
しかし、これに於いてはその真髄に迫れば迫る程、実に面白くなっていく。

その『分かるまい』と感じるところが正に事の頂点であり、
本来受け継がれるべく伝統であり、外国人にも理解してほしい観念なのだから・・・
それに興味を示してくれる外国人が存在するということに先ずは感謝、
和文化に想いを寄せてくれる海外の人々、
日本の伝統に目を向けてくださる外国人たち、
それを受け入れて初めて、本当の意味での国際交流や文化活動が
何の妨げもなく促進されていくのではなかろうか???

これぞ和魂と洋魂の謎、これぞこの世の七不思議!!!
めでたし、めでたし!!!

裕美・ルミィヤンツェヴァ
http://plaza.rakuten.co.jp/ragtimema/