リリー・マルレーン [ 音楽 ]

erury


私はマレーネ・ディートリッヒが大好きだ。傲慢、強情、自画自賛、男装・・・と男みたいなイメージが強いが、どこか女らしさを秘めている。ドイツのナチスをひどく嫌いパリに移り住むが、死後はパリのお墓から生まれ育ったベルリンの町へと移されてしまう。アメリカ在住の際にも、ユダヤ人の映画監督と組み名作を沢山残した。彼女のステージを幼少からずっと付いて周っていた実の娘が、ディートリッヒの伝記を書いたのを読んだことがあるが、これは相当の暴露本である。娘にあれほどけなされては・・・とも思うが、かなりのわがまま屋だったらしい。復讐と言わんばかりに彼女の遺体をベルリンに移したのも娘だ。「死人に口なし」、これはきっと彼女が自分の意志を初めて貫けなかったことになるのだろう。私は、自分を貫き通す生き方に魅力を感じる。八方美人やお人好しになる必要はない。彼女は人種差別をひどく嫌った。人は人間を人種や肌の色や宗教や階級で差別しなくなって初めて、真実という価値を理解するのだろう。全ての枠や観念や世間体を取り払ったときに好きなものを好きと言えるそんな自分になりたい。彼女を偲んで、近いうちに「リリー・マルレーン」をドイツ語で歌ってみようと思う。


裕美・ルミィヤンツェヴァ
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