電話の声 [ 思い出 ]

dfggb


知らない人から電話がよくかかってくる。職業柄(ボーカル&司会)アナウンサーというかアニメ声優というか声が明るく高く澄んでいる。それだけならば良いのだが電話では顔が見えない。「もしもし」と言ったトタンに先方の口調が急変するのはしばしばだ。子供をあやすような甘くゆったりとした声で、「お父さんか、お母さんか、おうちにいるかな???」。これを聞く度に、いつも顔だけ苦笑い。一瞬返事に困るが、「私実は大人なんです。」や「もう30過ぎているんですけど・・・」なんてことは恥ずかしいというか言いづらい。その数秒間、妙なことが頭を過ぎる。知らない人だから仕方がない。これしかないでしょう・・・。「お父さんも、お母さんも、出掛けてます!!!」とお利口さんの幼稚園生が待ってましたと言わんばかりにはきはきしゃべるあの口調で、返答するのである。コツは甲高い声で、単語を一つ一つ区切ることである。電話を切ると思わず爆笑だが、勧誘や押し売り相手にはこれが一番効果的なのである。あそこの家はいつかけても子供が一人で留守番しているぞっとお思いの方、ここで白状。ごめんなさい!!!

裕美・ルミィヤンツェヴァ
http://plaza.rakuten.co.jp/ragtimema/