ラグタイムはソナタか???



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本日、ラグタイマーから非常に興味深い質問をいただきましたので、
ここにお返事致します。

一般的にラグタイムソナタ形式
若しくはロンド形式で構成されていると言われています。
しかし、モーツァルトハイドンベートーヴェンソナタ1つを取っても
全てが同じソナタ形式ではありません。
従って、これは単なる一般論で、数千曲あるラグタイム曲にも
色々なスタイルや例外があるのだと思います。



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ラグタイムは基本的にラグタイム・ワルツでなければ2拍子です。


ソナタ形式は通常下記より構成されています。
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●序奏(省かれる場合もある)
●提示部・・・・第一主題(主調)、第二主題(属調平行調等)
●展開部
●再現部・・・・第一主題(主調)、第二主題 (主調または同主調
●コーダ(省かれる場合もある)


【序曲のある例】

チャイコフスキー・・・・組曲くるみ割り人形」 第1楽章「小序曲」
シューベルト・・・・ロザムンデ序曲



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ソナチネ形式の場合は展開部、または再現部の第一主題の
いずれかが省略されることがあります。
ソナタが小さくなったバージョンと考えてください。


【再現部第一主題を欠く例】

パガニーニ・・・・ヴァイオリン協奏曲第1番第1楽章
パガニーニ・・・・ヴァイオリン協奏曲第4番第1楽章
ドヴォルザーク・・・・チェロ協奏曲第1楽章


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複合三部形式は、三部形式を大きく発展させたもので、
最も基本的なものは、各部が二部形式、
または三部形式となったものである。

【例】

●主部(ABA)
●中間部(CDC
●主部(ABA)



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ロンド形式は日本語で輪舞曲と言われている。
同じ旋律であるロンド主題が異なる旋律を挟みながら
何度も繰り返されるのが特徴である。

【例】

●主部(ABA)
●中間部(CA)
●主部(DA)


○スコット・ジョップリン・・・・エンターテイナー



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ロンド形式

A B A C A B A


【例】

マーラー・・・・交響曲第5番第5楽章



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ロンド形式

A B A C A


【例】

マーラー・・・・交響曲第5番第1楽章
ベートーヴェン・・・・エリーゼのために



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ロンドソナタ形式は 大ロンド形式を発展させて、
ロンド形式の主部Bの調性を、ソナタ形式の第二主題と同じように
第一主部では属調平行調等に、
再現主部では主調または同主調にしたものを言います。


●第一主部・・・・A主調、B属調平行調等、A主調
●展開部・・・・・C
●再現主部・・・・A主調、B主調または同主調、A主調


【例】

ベートーヴェン・・・・ピアノソナタ第8番「悲愴」終楽章


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このようにソナタ、ロンドと一口に言っても色々な種類があります。
今すぐに、ラグタイム譜を広げて、
一曲一曲照らし合わせるわけには行きませんので、
とりあえず有名なクラシック曲の例を挙げてみました。

皆さんが今、練習している曲は、お気に入りの曲は
果たしてどんな形式によって構成されているのでしょうか?
それぞれの情報を是非とも寄せ下さいませ。


追記:あ、三部形式を書くの忘れました。
こちらは単にA、B、A′です。
こんな単純なラグタイムもあるかしら???
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