「ああおもしろいね」



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ラグタイムにはラフマニノフの「プレリュード」をパクったものやら、ビゼーの「カルメン」を織り込んだオペラティック・ラグやら「メリー・ウィドウ・ワルツ」のせいでラグタイムが廃れちゃった・・・なんて歌やら色々とありとても幅広い。

ラグタイム以外にも 古曲では「大きな古時計」を138年前のオリジナル版で我々は演奏している。歌詞は勿論英語だ。その他、ゴスペル、賛美歌、ディキシー、ニュー・オリンズ、スウィング、ラテン、とスタイルも様々。

ラグタイムは世界初のポピュラー・ソングで、異なる要素が沢山詰まっているところが特に面白い。

私達の音楽はヒットしなくていい。何故ならヒットとはほんの一瞬の出来事だからだ。死ぬまでずっと続けるつもりなので、一瞬の輝きでは物足りない。

良い製品が大量生産できないように、良い音楽も大量生産できない。ラグタイムはほんの少数派の音楽かもしれない。でも本当に好きな人に、この音楽を理解する器のある人に聴いてもらいたい。

私達にとっては お金よりも名声よりも「ああおもしろいね」がこの上ない最高のご褒美だ。そしてそれは終わりではなく、その人の人生に「ラグタイム」を注ぎ込んだ正に始まりなのである!!!