オードリー・ヘップバーン



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オードリー・ヘップバーンの映画で好きな作品が三つある。

まずは「マイ・フェア・レディ」。
これはジョージ・バーナード・ショウ
ピグマリオン」を元に作られた傑作である。
花売り小娘が一流の社交界へ出ても
恥ずかしくないような淑女へと
変身していく姿が面白い。

次は「ティファニーで朝食を」。
ニューヨークの五番街
ショウ・ウインドウ越しに宝石を眺めながら、
フランス・パンをかじるシーンが忘れられない。
何ともいえない粋な娼婦の姿が印象的だ。

三つ目はは勿論「ローマの休日」。
相手役のグレゴリー・ペック
かっこよすぎるというのを
特に述べておきたいが、
ローマという美しい都が
舞台になっているところも見逃せない。
新聞記者たちが一番印象に残った町を
彼女に尋ねるときに、
紛れもなく「ローマ」と答える
あの名台詞は永遠に繰り返されることでしょう。

ベルギー育ちの彼女は
ナチス占領下であったオランダで貧困を味わう。
その後、デビュー作ではあったものの「ローマの休日で」
見事にアカデミー主演女優賞を受賞。
様々なファッション・デザイナーに愛され、
サブリナ・ブームまで巻き起こし、
オードリーは妖精的存在となる。

弱いものを助けることはそう容易いことではないが
彼女は自ら貧しさを知っていたからこそ、
晩年にユニセフ親善大使として、
与えられた使命に尽力できたのであろう。